会長挨拶

 

全国学校調理師連合会の総会も第15回目を迎えました。現在全国で60名近くの会員が多岐に渡る調理専門職の調理師として集まり、それぞれ各自の調理技術・技能向上を図り、意欲の高揚を目指してきました。また、当会の志に賛同して頂いた法人様より賛助会員としての多大なご協力を頂いております。

 新型コロナウイルスが全国的に猛威を振るっています。政府による32日から24日の間・48日から56日の間、幼稚園・小、中学校・高校の臨時休校の要請があり、多くの自治体が臨時休校しました。47日に緊急事態宣言が発令されその影響は社会全体に及んでいます。

 

 農林水産省が作成している「第4次食育推進基本計画」(令和3年度~令和7年度)に向け、若い世帯・高齢者の方の食習慣、食品ロスに関する中間的な取り纏めが報告されました。

 我が国の総人口は2018101日現在、12644万人で減少傾向にあり、064歳が減少傾向にあるのに対し、65歳以上の高齢者人口は増加傾向で総人口に占める割合は28.1%となっています。2065年には38.4%になると推計されています。

 食の外部化の状況では、食料消費支出において2人以上の世帯で10年前と比べると家庭で調理する必要のある生鮮食品の支出が減少し、調理食品の支出が増加しています。

一方、単身世帯では外食の支出は減少していますが、2人以上の世帯と共に調理食品の支出が増加しています。又家庭における食事の状況では、朝食又は夕食を家族と一緒に食べる「共食」の回数は、2015年度では9.7回から2018年度では10.0回と少し上回っていますが、朝食を欠食する子どもの割合は4.4%から5.5%と増えており、朝食を欠食する若い世帯の割合も24.7%から26.9%に増えています。週1日以上朝食を欠食する子どもは、保護者も朝食を欠食する傾向にあり、親世代が朝食を食べない習慣が朝食を食べない家庭環境に影響している事も考えられます。

 「共食」では20歳代~50歳代の3割強が家族との食事が難しいと考えており、その理由として約9割の方は事が忙しい事を挙げており、共食が難しい要因の一つとして考えられます。

 高齢者に関しては、平均寿命と健康寿命は年々延びていますが、

     

平均寿命

2010年男性 79.55

2010年女性 86.30

  〃

2016年〃  80.98

2016年〃  87.14

健康寿命

2010年〃  70.42

2010年〃  73.62

  〃

2016年〃  72.14

2016年〃  74.79

 

自立した生活ができない期間(継続的な医療・介護に依存しない)は2016年では男性は8.84年・女性では12.35年となっています。生活習慣病による死亡者数が5割強、国民医療費が3割を占める中にあたり、その予防や改善は引き続き国民的課題となっています。65歳以上の高齢者では、低栄養の傾向の方の割合は男性 12.5% 女性

19.6%であり、特に80歳以上の高齢者では男女共約2割の方が低栄養の傾向となっています。健康寿命を延伸するには、生涯を通じて栄養のバランスに配慮した食事を習慣的に摂取し、肥満や高血圧等、生活習慣病の予防改善の為にエネルギーの適量摂取や食塩の過剰摂取にも気を付け、健全な食生活と運動を実践する事が重要です。

 

 食料消費に関する状況では、2018年の食糧自給率はカロリーベースで37%(1

1日当り国産供給熱量)食料及び生産資材の多くを海外からの輸入に頼っている一方で、本来食べられるにも関わらず廃棄されている食品ロスが20165年度の推計で643万トン発生しています。その内訳は事業系で352万トン・家庭系で291万トンになっています。この様な中で、国・地方公共団体・事業者・消費者等様々な主体が連携し、国民運動として食品ロスの削減を推進することを目的とする「食品ロスの削減の推進に関する法律」が20195月に成立し、101日に施行されました。食品ロス削減の為に何らかの行動をしている国民の割合は改善傾向にあり、まず個人が食品の廃棄を減らす様、努める事が必要です。

 

本来「食べること」は生きる為に不可欠なものでありますが、人間社会では文化までにも影響を及ぼす行為である事は、改めて申すまでもございません。

 子どもの成長発達途上においても食生活の影響は無視できないもので、それは私達大人の日常生活とも深く関係している事は言うまでもありません。

 私達は、直接には学校・保育所あるいは施設で、調理作業を通して健康的な食生活の一端を担っています。「食」を担当する調理師がどの様な形で社会的責任を担えば良いかしっかり認識し、この会を皆さんの協力の下一緒に発展させていきましょう。

 現在、青森から広島・四国地方まで全国広範囲に会員を要し、横の繋がりと縦の繋がりを密にして組織の強化を図っております。

 また、研究部主催の「夏期・冬期研修会」もこの15年間で技術顧問の先生方や外部の方々に講師として講演依頼や、研究部自身で実習や外部への社会見学等行って参りました。引き続き多くの会員が参加し情報交換出来る様努めます。また、会報誌「はぐくみ」の発行・会員間のIT活用などで、情報力の強化に努めてまいります。その為には会員一人ひとりの大切な力で団結力を高めていきましょう。

 

 昨今の厳しい社会情勢に負けない組織として、会員皆様の志をひとつにして取り組まなければならない時期になってきた事を改めて認識し、新しい期に向かって更なるご協力のほど、宜しくお願い致します。